Operatio チェンバロ 3サイド1コロニー郡残骸近くに連邦軍主力艦隊であるマクファティ・ティアンム中将率いる第二艦隊が展開していた。「ミラーの準備は?」 「はっ!あと4分ほどであります。」 ティアンム中将の問いに管制オペレーターが、すばやく答える。 「ん、ドズルの野郎もそろそろこちらに気付くぞ」 帽子のつばの位置を直しながら、ティアンムは満足そうに答えた。 姿勢制御バーニアを備えた20×10メートルのミラーが作業用のボールなどの手により40万枚並べられ、次々と展開していくパネル郡。その全体の大きさは12×6キロ程度の大きさになっていた。 「敵主力、第三艦隊に振り向けられました」 第三艦隊はよくやっているが、所詮主力級の戦力ではない。敵戦力に対抗するためには主力である第二艦隊の戦線投入が急務であり、万全を期すより今は時間が大事だった。 「ミラー配置完了!」 「よし、照射モードに入り次第、攻撃開始だ!敵機動艦隊を近づけるなよ!!」 管制オペレーターの報告に改めて激を飛ばすティアンムだった。 「姿勢制御バーニア連動システムオン!」 「アルキメデスの鏡」目標ソロモン右翼!スペースゲート!」 「軸合わせ10秒前!ミラー放射・・・迎撃機接近各艦注意!」 次々と艦橋に報告が入ってくる。 「構うな!焦点合わせ急げ」 「3・2・照準入ります」 「システム照射!」 旗艦「タイタン」に座乗するティアンム中将の命により、巨大な太陽光集光装置「アルキメデスの鏡」は遂に目標であるソロモンに焦点を結び、高温の熱が照射された。鉄のシャッターですら溶け出し、全てのものがとかされてゆく。 「そ、ソロモンが・・・焼かれているこれが連邦の決戦兵器の威力か・・・」 別の位置でその凄まじい光を見ていたシフォンは驚きを隠せなかったが、直ぐにその光の情報を集めた。レーダー反応なし、エネルギー粒子反応もなかった、方位は確かに事前に連絡のあった位置と合致していた。 その光はベオグラードのシン艦長達の位置からも当然確認できた。 「これがわが軍の新兵器の威力なのか・?!」 「ティアムン本隊より入電、高出力集光システム「アルキメデスの鏡」成功せり」 ミユキ伍長と交代で通信席に座っていたリオ・ヒライ航海長から報告が入る。 「「アルキメデスの鏡」・・・あの光の事か・・・」 この攻撃により宇宙要塞ソロモンの右翼のスペースゲートは消滅したが、ドズル中将の放った衛星ミサイルにより「アルキメデスの鏡」の損傷を受け攻撃はあと1回が限度との報告も上がってきた。 「ヨナ機着艦、損傷度B+。ウモン伍長も一緒の様です。ですが、ヨナ機が交代したことにより戦力が約11パーセント低下・・・」 リオ航海長が驚きのあまり、声が出なかった。 「どうした、続けろ?!」 不振に思ったシン艦長がリオ航海長に問いただす。 だが、すぐに立ち直り、リオ航海長が報告を続ける。 「機体の損傷が激しく破棄してきたそうですが、ウモン伍長がボールでドムを6機撃墜したとの報告が入っています!!」 その報告に重巡洋艦ベオグラードの艦橋が騒然となった。 MSとして人型を成しているジムに比べて、眼球に似た球体の左右下部に2本の作業用アームと、天頂部に唯一の武装である180mm低反動砲を付けたその姿と低い戦闘力から、兵士の間では「丸い棺桶」「動く棺桶」とまで言われた機体である。その機体でジオン軍の主力MSのドムを6機も撃破したのだ、驚かない事の方が無理であり、ウモンのその活躍はエースパイロットとして評価に値する働きであった。だが、その活躍が霞んでしまう様な出来事が、直前に迫っていた。 |